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せっかく仕入れた素晴らしいブズーキ(bouzouki)だし、やっぱりあれこれ遊びたくなるものである。一応カテゴリも作ったことだし、適宜研究結果(というほど大袈裟なものでもないが...)をアップするのも悪いことではないだろう。
実はブズーキ入手以前に教則本を仕入れていた。
John McGann の『
A Guide To Octave Mandolin & Bouzouki 』というオクターブ・マンドリンやブズーキ用の教則本だ。マンドリンでメロディだけでなくコードやアルペジオを交えたバッキングもやってみたかったのであるが、巷のマンドリン本はメロディ弾きのものばかりで、なかなか格好の参考素材を発見できなかった。そんな折、たまたま見かけたのがこれだった。最近はAmazon もサンプル・ページをWEB上で見せてくれたりするので試しに見てみたらマンドリンのオクターヴ下のチューニングでメロディとバッキング、両方の譜面が付いている(一部G-D-A-D もある)。チューニングが一緒なら応用可能なので買ってみたというわけだ。
因みに著者のJohn McGannさん、実にマメな方のようで様々な教則本・DVD を出版されているだけでなく、HP上でも惜し気もなくいろんな記事を載せておられるので是非参照していただきたい。
いきなりこのネタに取り組んだ、ということでも話としては悪くないのだが、新たな楽器を始めたわけだから小物などにも触れておこう。
写真はギターやマンドリンの経験者ならよくご存知のピックである。因みに多少ギターを齧った経験のある私は、写真上段右の紫色のものを愛用していた。厚みが1.5mmでほとんどしなりがないタイプだ。
下段の角が取れたものはマンドリンで今も愛用するピック で、これもほとんどしなりがないヘビーなピックだ。個人的にはメロディ主体でアコースティック・ギターやマンドリンを弾くときには硬いピックが音の通りもよさそうだし、速く弾くときのレスポンスが素直なので好みであるが、ブズーキを弾くにあたって柔らか目のものを使ってみるのも一興だと思って急遽仕入れたのが上段左と真ん中のものである。真ん中の .96mm のものは一般的なヘビー・ピック程度の硬さだが、左の.71mmのものとなると一般的なミディアム・タイプでペラペラ感が強い。メロディ弾きやトレモロをやるとなると少々頼りない硬さだが、コードを弾くには案外相性がいい。
弾力性を上手に使うと音の鳴りも悪くないので当面はこの.71mmのピックを採用 だ。
因みに厚みはこんな感じだ。手振れしてしまっているので見辛いが上から順番に.71mm、マンドリン用ピック、1.5mm、.96mmだ。絶対値の差は小さく感じるが、右手にかかる圧力には結構大きな差が出る。
さて、本題に戻ってブズーキの演奏だ。
先述のJohn McGann の教則本にあるバッキング・パターンを少し練習してみた。
♪ ブズーキによるバッキング練習 ♪ コード進行は最初の8小節が
「Em |Em |D |D |Em |Em |D |D Em|」
次の8小節が
「Em |Em |D |Bm |Em |Em |D |Bm Em|」
を想定したバッキングだ。
楽器が変わったからとて演奏のぎこちなさに変化がないところが苦しいが、まぁ弾き始めとしてはこんなもんだろう。若干弦のテンションが苦しくてきっちり音が出ていない部分が多い感じがするが
複弦楽器独特の響きは心地がよい 。少しずつでもパターンを増やしていけると楽しそうだね。
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もうこのブログや他のブログでも大っぴらになってしまったので若干気がひけるが、我が家に期待の新人、アイリッシュ・ブズーキ(ショート・スケール)がやってきたので紹介しよう。購入した即日に阿留酎セッションで鮮烈なデビューを果たし、ゆっくりセッションで2度目のお披露目もすんでいる。もはや所有者の腕前とは別次元で話題の楽器となりつつある。
アイリッシュ・ブズーキ(
小坂たけしさん 製作)
<製品仕様>
スケール:562mm
表板:イングルマンスプルース(北米)
横板・裏板:ブラックウォールナット(アフリカ)
ネック:マホガニー(南米)
指板:エボニー
ブリッジ:パオロッサ(南米)
バインディング:メイプル
サドル:牛骨
ヘッドプレート:ゼブラウッド(アフリカ)
サウンドホール:ハワイアンコア(ハワイ)
糸巻:ゴトー
テールピース:ループエンド
使用弦(4弦→1弦):.043×2、.033 ×2、.022×2、.012×2、
ショートスケールといったところで、なかなかサイズのイメージがし辛いだろうから、先日Kevin 師匠のご実家に行った際に集合写真も撮って来ている。
フィドル(上段)×3、下段左からテナー・バンジョー(パラマウント)、マンドラ(スズキ)、マンドリン(ギブソン)、ブズーキ(小坂たけし)、ギター(マーティン)。
見ているだけで何とも幸せな気分に浸れる弦楽器の集まり やね。
Kevin 師匠のブログにも似た写真が公開されていたけど、この楽器達を眺めながら一杯やるというのもなかなかオツなものだ。
因みに
楽器全長はテナー・バンジョーより若干長い が、ソフトケース(ギグバッグ)はGold Tone のテナー・バンジョー用のケースを流用している。サイズはピッタリだし軽くてなかなか便利だ。
因みに
ブズーキ (
bouzouki )とはどんな楽器なのか。
サーチエンジンなどで引けばいろいろと出てくるのでここでは簡単に触れることにしよう。
原産地はギリシャ で、弦楽器の種別としてはマンドリンのような
複弦 (4コース8弦)の
撥弦楽器 。『After The Break』/Planxty でクレジットされているDonal Lunny の Blarge(ブラージ)という楽器は元はブズーキで、低い方にさらに1コース追加された5コース10弦らしい。
ギリシャのブズーキはボディの裏側が丸く(
ボウルバック )、アイリッシュで一般的に使われるもののボディ裏側が平ら(
フラットバック )という点は、イタリアのマンドリンとアメリカのマンドリンの対比と同じで面白いね。
調弦は、ギリシャのブズーキは低い方から「
C-F-A-D 」が正調で、
低音部2コースはオクターブ にするらしい。一方アイリッシュ・ブズーキの場合、導入されてまだ新しい楽器(1960年代後半という説が有力)ということもあり様々な調弦が存在するようだが、「
G-D-A-D 」「
G-D-A-E 」「
A-D-A-D 」あたりがよく使われると聞く。低音部2コースもユニゾンだったり、オクターブだったりマチマチのようだ。
「G-D-A-E」であればマンドリンのオクターブ下だから、オクターブ・マンドリンともいえる。実際、小坂さんのHPでは同列の楽器として扱われているし、今回私が購入したサイズならオクターブ・マンドリンでも通用しそうだ。
(因みにマンドリン属、というか複弦系の楽器の名称・実態というのは実に覚えにくい。私自身いまだにマンドラだのマンドセロだのオクターブマンドリンだのを並べられるとちんぷんかんぷんになる。
http://homepage2.nifty.com/oku_kazuhiro/family.html の解説がわかりやすいので気になる方はご参照ください。)
肝心の使い勝手についてだが、Kevin 師匠からも指摘があったが、弦高はやや高めの設定。演奏性に関わる大事な部分だが、私自身は弦のゲージをもう少し細いものに交換して少しシャラシャラ感を出そうか、とも考えているので多分これくらいでよいだろうと思っている。鳴りに関してはさすが小坂さんで、複弦楽器特有の響きが心地よく、音の通りもよさそうだ。残響感も素晴らしい。
使用するに当って悩むのは調弦と指使いだね。ショートスケールとはいえ、フレットの広さがギター並にあるから、コードをジャカジャカ鳴らすにせよ、メロディを弾くにせよ、頭の切り替えが必要だ。当面、マンドリンのオクターブ下「G-D-A-E」で使ってみる予定だが、使用感によってはさっさとチューニングを切り替えることになるかもしれない。何せ初めて扱う楽器だから色んなことを試してみたくなる。よき相棒と呼べるまでには時間がかかるだろうが、大事に使っていきたい楽器だね。