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音を紡ぐ正月

LuckyTicket.jpgたまに利用するチケット販売の「e+」。プレ・オーダーの仕組みはやはり勤め人にはありがたいので、知人から頼まれたものも含めて結構重宝している。
そのプレ・オーダーのサービスにさらに今回は「全席指定優待」のサービスもプラスされた。お陰様でありがたいことに1階1列10番という素晴らしい席が当たった。そのコンサートが本日のイベント。このために例年より早く関東へ戻ってきたのである。

弦×弦 音をつむぐ」と題されたこの企画、日によってプレ・コンサートと本公演が入れ替わる企画だが、本日はプレ・コンサートが沢井比河流(筝)&菅原久仁義(尺八)のデュオ、本公演が五嶋みどり(vln)&ロバート・マクドナルド(p)である。

Caprice_Midori.jpg元々ヴァイオリン或いはフィドルが入っている音楽は好きだったけれど、自分でフィドルを始めるようになってからは特にジャンルに拘らず色々と聴くように心掛けている。そんな中で五嶋みどりさんの『パガニーニ:カプリース』は今でもよく聴く。賛否あるだろうが、この当時の音色とかタッチは実に好みである。(公式サイトはこちら

何度かチャンスをうかがっていたのであるが、なかなか実現できなかった生演奏を聴く機会に恵まれ、しかも間近な席での鑑賞、胸踊る気持ちで現地へと赴く。会場は浜離宮朝日ホール。軽く昼食をとって現地へ無事に到着し座席に行ってみたら何とど真ん中の正しく砂被り席だ・・・、ビックリ。こんな場所で拝めるんですか、と周囲を思わず見てしまった・・・(笑)

演目は当初の予定から変更があり、クラシックの方は

ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品 作品75
ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第6番 イ長調 作品30-1
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

となっていた。

序盤はプレ・コンサートの沢井比河流(筝)&菅原久仁義(尺八)であるが、これがまたいい感じ。筝は3曲全て入れ替えで見事にセッティングが違った。最初の2曲は似たタイプの調弦違いかと思うが、最後に出てきたのは明らかに低音寄りの調弦だったと思う。曲調が美しいのと、尺八の掛け合いが綺麗にツボにハマっていてあっという間に終わってしまった。あの曲調ならアレンジ次第でさらに可能性があると感じた素晴らしい音空間だった。

休憩を挟んでいよいよメイン公演。

始まった頃、あまりに動きが激しい五嶋みどりさんにこちらの方がオタオタしながら見たわけであるが、時間が進むとともに見事に二人が織り成す音空間に惹き込まれてしまった。

コイツは危険過ぎる・・・。

オーラ出まくり、フォースだだ漏れある・・・。あの小さい身体をフルに使いつつ、伴奏のロバートさんと息もピッタリで自由に紡がれる音たち・・・。大袈裟に見える身のこなしが段々と馴染んでくるとドップリとその世界に浸ってしまう。何なんだ、この魔力は・・・。半ば呆然としつつ前半が終わってしまった。放心状態と興奮状態が入り混じる中、休憩へ。タバコを吹かしつつ冷静に振り返ってみる。何にそんなに打たれたのか・・・。何がこんなに私の魂を揺さぶったのか・・・。初めて聴いた曲もあるのになぜにこんなに懐かしく、美しく、スンナリと私の身体が受け容れたのだろうか・・・。私の脳味噌では10分強の休憩で答が出るはずもなく、得もいわれぬ不思議な感覚とともに後半のコンサートへ。

後半最初のドビュッシーは初めて聴く曲だったが、始まって即あの二人の紡ぐ音世界にドップリと。見ている間に思ったのは、随所随所で言葉ではない会話があのお二人に行き交っていて、ここぞという場面でピタピタとハマっていく心地よさだった。前半のベートーヴェンでも感じたけど本当に凄く心地がよいのだ。そしてその極めつけは最後のフランクのソナタだった。あまり知らないなぁ、と思っていたのだが、最終楽章が始まったときに「お、これは私も知っている」とわかった。自分の記憶力の曖昧さにイライラしつつ曲が進んで・・・、ハタと気付いた。お、これは『The Art Of Violin』でスターンが弾いていた曲だ。ここで奏者と私の感情も完全に一致した。後半、朗々と唄う箇所では涙が出そうなくらいの感動だ。数少ないとはいえ何度かクラシックのコンサートも観てきたが、こんなクライマックスは初めて。感極まるとはこんな感じなのだろうか。もう言葉はいらないね。その後のアンコール2曲も存分に堪能させていただいた・・・。

あまりにも見事な、そして新年早々最高のコンサートだった。以下、備忘録で・・・。邪魔だと思う方はスルーしてくださいね・・・。

・左手のタッチはビシバシでした。ガッツリと押さえている感じではないのだけれど、瞬間的にかなりしっかり左手は押弦されている印象が強かった。あの独特の音色はその辺りにひとつの要因があるのではないか、と。

・ボウイングはクセを感じない綺麗なものでした。駒寄りを弾いているときの運弓は特に見惚れました。アタックは緩急自在だけれど、ここ一番で凄く強烈な打撃感を感じました。ダイナミック・レンジはかなり広かった印象。

・最初は見ている私がオタオタしたボディ・アクションも理に適っているように思いました。語弊があるかもしれないけれど、楽器で表現する前に身体で表現されているような気がしました。

・ロバートさんに向いて弾かれるシーンが多々ありましたが、弓先を彼に向けて、まるでジョッキーが馬にムチを見せているかのごとくご自身の意思を伝えておられるように思いました。息の合わせ方のひとつなのかもしれません。

あぁ、余韻・・・。
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[ 2008/01/04 01:58 ] Concert | TB(0) | CM(6)

新春からいいなぁ~!

モハーさん。今年もよろしくお願い致します。^^

新春早々、五嶋さんのコンサートのこんなレポが読めるなんて!!!
以前、彼女の演奏を聴いたことがありますが、
まったく!感想同じです。
この時のピアニストも確かロバートだったと。。。

伴奏というより、「共演」か「競演」って感じで、
とても印象深かったです。

彼女の身体の動きは、あれによって音の強弱から、
表現までコントロールされてるんですよね~。。。
いい演奏を間近でみると、胸がふるえるのわかります~~~☆^^
[ 2008/01/04 12:15 ] [ 編集 ]

あけおめです

>RIN☆さん

こちらこそ今年もよろしくです。

ピアノのロバートさんとは相当長い付き合いのようですね。重要なパートナーなのでしょうね。

演奏中のあの動きは相当体力も使いそうな感じですよね。最初はビックリしましたが、段々と演奏と一体化していくイメージが涌いてきて♪

年始早々、良いものを観ることができました。
[ 2008/01/04 15:34 ] [ 編集 ]

あけおめです~

モハーしゃん、今年もよろしくお願いいたしまする。

ワタシも以前五嶋さんのコンサート見に行きました。
一曲目がバッハの無伴奏、パルティータだったのですが
ものすごく感動して涙が出てしまいました。
今でも忘れられません。みどりさんよ永遠なれ。
モハーさんのレポであの感動を思い出したので、思わずコメントしますた。
[ 2008/01/07 23:08 ] [ 編集 ]

ことよろ、ある♪

>ケメ子しゃま

無事のご帰還、おめでとさんある。

を、のっけからバッハの無伴奏あるか!そいつは凄いあるね。私が行った翌日はプレ・コンサート出演でパルティータ3番だったようある。3日はアンコールで期待してたあるが、甘かったあるね(笑)

彼女が作り出す世界はお見事としか言えません。『Art Of Violin』の中でイダ・ヘンデルがジネット・ヌヴーを指して「この解釈しかあり得ないと錯覚させる見事な演奏」と評していますが、そんな雰囲気をコンサートを見ながら感じていました。やっぱ、危険すぎます^^;
[ 2008/01/08 00:02 ] [ 編集 ]

フランク、いいですよね~

モハーさん、明けましておめでとうでござる。

モハーさんのとこで、クラシックのレポが見られて嬉しゅうございます。
私は昨年末からフランクのソナタに魅せられていまして、色々聴いています。
そんなにいい席で聴けたら、本当に涙ものですね。
いいな~~~。
[ 2008/01/08 00:12 ] [ 編集 ]

あけおめ、ことよろ、ある♪

>noriさん

ご無沙汰してるある。まんずはおめでとさんある♪

ま、私のところではなかなかあり得ないレポートではありますが、これはさすがに書かずにおれなかったあるね♪

フランクのソナタ、凄くいいですね。コンサート後にサイン会があったので未入手だったCD(エルガーとフランクの作品集)を買ってしまいました(笑)。ここ数日就寝前の鑑賞曲となっています。

今回は座席にも恵まれて本当によいものを観ることができたなぁ、と思います。他の方でお勧めがあれば教えてくださいまし~。
[ 2008/01/08 00:20 ] [ 編集 ]

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