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I Remember Sutton's ~~サットンズの思い出~~

i003.jpg今年は一体何という年なのだろうか・・・。1月19日をもって近所の行きつけのお店が閉店されたことを当ブログで触れたばかりなのに、またしても私の馴染みのお店が3月上旬をもって閉店されることになってしまった。不定期的ながら「素人芸能発表会」で毎度お世話になっていたSutton’s さん(千葉県君津市)である。転勤に伴い君津へ移り住んだ平成14年の8月以来のお付き合いで、マスターが目指しておられた「酒・食事・音楽」すべてに拘りをもった素晴らしいお店だった・・・。

勤め人たるもの、紙切れ一枚でどこへでも人事異動がある世界である。私とて例外ではなく、勤務地でいけば、「東京(5年)→姫路(8年と1ヶ月)→君津(8ヶ月)→東京」という変遷を経ている。君津→東京の期間が異常に短いが東京へ戻って2年弱は東京在勤ながら月初数日間は君津で仕事をこなすという所謂二重生活の期間だった。因みに相も変わらず今は本社と尼崎の二重生活にあえぐ、まぁ社の先輩が仰るところの「事件屋」と化している・・・苦笑

入社した頃から、「そこに何年も座っていると感じる」と周囲から言われるような態度のデカい人間であるが、君津へ異動するにあたっては不安なことだらけだった。仕事のミッションは主が「決算日程の短縮」であったが、裏では大赤字を垂れ流し続ける事業をどう立て直すかという大きなテーマが動いていたし、私の後任の件は数ヶ月揉め続け、挙句の果てに胃潰瘍&十二指腸潰瘍を同時に発症してしまった忌々しい時期だった。全く未知の場所で暮らすことも大きな不安だった。

i002.jpgそんなボロボロの状況でも「福の神」がいたりしたのは今考えても妙に可笑しい。異動の挨拶で神戸のアコースティック・ハーモニーに伺ったときに店におられた赤木一孝さんがその「福の神」だった。アコハモマスターの「あんたは全国行脚してるから、君津で何かえぇ店知らへん?」の問いに即座に返ってきたのが「あぁ、Sutton’s っていう、ラルフ・サットン(スイング・ジャズの名ピアノ奏者)の大ファンの方がやっておられる店がえぇよ。雰囲気が凄くいいし、あそこのカシミールカレーは絶品やね」との話。教えてくださるだけでなく、「これ見せたら絶対マスターも分かるから持って行き」と名刺大の紙に彼のサインと絵をいただいた。(因みにSutton's はそれ以外のカレーはもとより、タンドーリ・チキンなど定番メニューは勿論のこと、日替わりで美味しいメニューが数多くあったことを付記しておく)

i005.jpg人間、相性というものがあるから実際に行ってみないことにはわからないなぁ、と思いつつも、とりあえずプライベートについては足掛かりができて少し気楽になった。引っ越し荷物の受け取り前日に初めて訪問したが、その日の内に気に入ってしまった。あの当時Django Reinhardt にドップリだった私はマスターとの探りあいのような会話を存分に楽しんだし、マスターも腕試しとばかりに色んなミュージシャンの話をされた。
中でも意気投合したのは「Frank Vignola(スイング系の名ギタリスト)」だった。お互いに「わが意を得たり」の心境だったことを今でも思い出す。そんなこんなで会って数時間なのに、もう何年もお付き合いしているかのようだった。以後、機会あるごとにお店にお邪魔し、飲食は勿論のこと、素晴らしいライブをいくつも拝見したし、お店の常連さん達との会話も存分に楽しんだ。友好の証としてDjango Reinhardt の20枚組LPを店に預けて、都合の良いときにはお店の自慢のタンノイで存分に聴かせていただいた。マスターの人柄を反映してか、バイトの人たちはよい方ばかりだったし、常連のお客さん達もなにがしか優れた才能を持った面白い方が多かった。ほとんどメンバー構成が変わらないという噂もあったが、いくつか研究会があって私は「関東手酌の会」と「競馬倶楽部」に所属、「競馬倶楽部」は会長でもあった。

DoubleBass.jpg公私共にお世話になりっ放しだったが、あの当時の私にとってある意味精神的支柱みたいな存在だったと思う。とにかく君津の仕事に関わっている期間、私の周囲ではいろんなことが起きたんだね・・・。今考えてもいろいろあり過ぎだろうというくらい・・・。中でも我がオヤジが平成15年5月に他界したのは最大のショックだった。3月以降はほぼ毎週末、君津⇔姫路の移動を繰り返して相当参っていたが、そんな私を慰め助けてくれたのもSutton’s のマスターや店の常連さん達だった。最早お店とお客という枠組みを超えている感じがあったなぁ、少なくとも私には・・・。

マスターも私もDavid Grisman & Martin Taylor の『Tone Poems Ⅱ』(過去記事はこちら)が大好きで、私がなんちゃってマンドリナーだと知るや否や、「Blue Moon、やろうぜ」とマスターは声を掛けてくださった。いつ人前でやるとも決まっていないのに、毎週のように二人で合わせる時間をもって、「Please」や「Grandfather’s Clock」あたりは結構形が出来上がっていた。マスターは私に演奏熱を吹き込んでくださった方で、私のフィドルにも理解があり、いつも嬉しい助言をしてくださった。常連さん達はその聞き手役もしてくださった。
そして昨年1月からは、新たな企画「素人芸能発表会」で貴重な体験をさせていただいている。今私の重要なレパートリーの「Laird Of Drumblair」とか「Arthur Darley’s Swedish Jig」、「Dinky’s」などはセッション対策というよりは、この「素人芸能発表会」向けに練習を始めた曲といっていい。実は今年の密かな目標は「Martin Hayes のセットをこの場で」だったのだが・・・。

Sutton’s、今聞いている話だと3月の二週目まで営業されるとか。そしてその思い出深いSutton’s での最後の「素人芸能発表会」が1日(土)に開催される。思い残すことなくシッカリと弾きたいね。久々にマンドリンも持参して、マスターの心地よい伴奏をバックに『Tone Poems』セットもやる予定。大した恩返しはできないけど、一生懸命演奏させていただきますので、マスター、よろしくね。

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[ 2008/02/18 23:40 ] Session & Event | TB(0) | CM(0)

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