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跳ねよ弓・・・

くだらないことを練習し始めたものである。
滅多に使うことがない割にやたらと練習時間と体力を強いられる、しかし出来ればカッコいい技の習得に随分時間を費やしてしまった。しかも、短気な私にしては想像を絶する練習量にも関わらず全くもって「よし、これなら何とか」というレベルに到達できない困ったシロモノなのだが、一応これまでの奮戦から得たことの備忘録ついでにちょいと記してみたいと思う。ど素人の勝手な練習記なので、細かい突っ込みはナシの方向でよろしくお願いしたい・・・苦笑

既に過去記事で何度か触れたがスピッカート、所謂跳弓である。文字通り弓を跳ねさせる奏法である。アイリッシュでは滅多に使われないようだが、Komeg さんによるとシェトランドのフィドラーが多用しているとのこと。たまたまAly Bain の作品を聴いていて耳に付き、師匠に相談して練習を始めてみたわけだが、ごく当たり前のようのドはまりしている。

スピッカート(跳弓)を上手に弾くには1
スピッカート(跳弓)を上手に弾くには2
スピッカート(跳弓)を上手に弾くには3
スピッカート(跳弓)を上手に弾くには4

上記は連載モノで何がしかのヒントになりそうなページだ。詳細は上記リンクの記事を読んでいただくとして個人的な感触では下記4点くらいがまずはポイントか、と思う次第。

1.スピッカートは「自分で跳ねさせる」のではなく、「勝手に跳ねるのをコントロールする」と考えた方が適切

これは過去にレッスンで師匠とも話したことが何度かある。弓の支点近辺はもともと弓が跳ねやすい。その場所である程度速度を上げて弓をアップダウンさせれば自然に弓が跳ねてくる。これは比較的体感しやすい。あちらこちらで記述を見かけるが「弓を跳ねさせる」奏法と考えない方がよいようだ。
(ただし、師匠が言っていたが「跳ねさせる意識がないと跳ねにくいです」とのことなので、跳ねさせようとしてはいけないが、跳ねて頂戴くらいの感覚がいいのかもしれない)

2.ひじを上げて、人差し指で弓の毛を押しつぶすとスピッカートは出来ない
ダウンの時は少しだけ小指を意識し、アップの時は人差し指を意識する。
気持ち程度ダウンボウでは右手を低くするように、アップボウでは気持ち右手を高くするようにとイメージするとやりやすい。

これは昨日辺りに実感したポイント。人差し指のプレッシャーについては実はトリプレットでもこの罠にハマった。トリプレットの場合、音を潰し気味にしたい思いから人差し指でプレッシャーを弦に掛けてブリブリさせていたのだが、これもどうやらあまりよくない。確かに音はつぶれてらしくなるのだが、実は人差し指のプレッシャーをかけるよりも綺麗に弓の毛を弦に噛ませて素早く弓をアップダウンさせた方が軽快で響きの良いトリプレットが得られる。(まぁ、この辺は好みの問題もあるが・・・)
スピッカートも一緒で人差し指をルーズにした方が弓の運動性能及びコントロール力が上がって綺麗に跳ねてくれる。
アップダウンの動きの中で右肘あたりから弓までが少し波打つような感触を得られたら自然に弓が跳ねてくる感じになりやすいと思う。

3.スピッカートは弓の毛の引っかかりを利用して行う技術

これは比較的早い段階で気付いたこと。
弓で弾く楽器は非減衰で音を鳴らし続けることができるという利点がある反面、音を任意に切るのが難しい。これを解決するには弓の毛を弦に噛ませた瞬間に発音できる訓練は必要か、と。引っ掛けた即座に明瞭に発音できなければ音の立ち上がりから切るまでの時間を稼ぐことができない。その状態でムリに音を切ると擦過音だけしか出ず、音量が出ないばかりか何の音が出ているか分からず箱の中でムシが蠢いているような音しか出せないんだね。

4.それなりの弓の性能が求められる

これは師匠もボソっと仰っておりました。幸い、今手許にある弓はそこそこの性能なので特に問題ないようです。どのレベルの弓なら、というのは私には分かりません。

MadamVanoni.jpg

さて、上の写真は最近日課のように練習している「Madam Vanoni」の後半部分。(写真では見辛いようならThe Sessionの譜面を参照してください。)
3連符が続くところがスピッカートで処理すべき場所。これはアルペジオの連続で、音高が上昇する3音はダウンボウでスラーのスタッカート、音高が下降する3音はアップボウのスラーでスタッカート、ここで副次的に弓が綺麗に跳んでくれたらハッピーエンドである。
この譜例ではD線・A線・E線の3弦を用いてのスピッカートであるが、クラシックではG線も加えた4弦で奏される例が多いかもしれない。例えばメンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトのソロ後半とか、パガニーニの奇想曲1番とかが好例か、と。百聞は一見に如かずなので、You Tube などで動画を見ることをお勧めする。

Koma_2.jpg

突如デキの悪いイラストの登場で申し訳ない。駒の上にある4つの黒い点は弦、その上にある直線は各々の弦を弾く弓の角度と考えていただければ幸いである。
ヴァイオリンの駒はアーチを描いていて、他の弦を同時に擦りにくいようにしてある。弾く弦を切り替えるには手首なり肘なりを上手に調整して弓の角度を変えるのがこの楽器を奏する上で大事なことである。今回のミッションではこの切替を瞬時に、そしてスタッカートで弾かなければいけない。
師匠曰く、この奏法をこなすためには、この角度の変化を肘でせよ、とのことだった。肘で弓の角度を変えると弓の軌道がやや大回りになるが、これが「跳ね」を生むと考えてよいのではないかと思う。手首でコントロールしようとすると弓が跳ねにくいらしいので手首を固めてもよいとのことだったが、自分でやってみた感触では、手首を固めてしまうと指先まで力が入りやすいのが難しいかも。(指先は柔軟にしておかないと跳ね加減のコントロールが難しい・・・)

最初の入りが結構難しいのだが、一音目を引っ掛けたとき(多少引っ掛かって弓が止まりそうになる)に多少弓が垂直方向に動きが出るのを活かして二音目以降少し弾ませるというか弦にぶつけ気味に弓をあてがう感じかなぁ。勢いが付いてくると跳ねさせようとしないでも持続しやすいと思う。アップボウとダウンボウではアップボウの方が相対的にキレを出しにくく、弦ではA線(真ん中の弦)が最も難しい。

本日の記録(相当不快な音が続くのでご注意ください)

う~ん、不安定なのは勿論だが、まだ擦過音しか鳴っていない音が多くて音量もかなり小さいね。運氏も中指やら薬指のダブルストップが多くて鳴らしにくいというのもあるんだろうが、修行あるのみですなぁ・・・。
こんなことばっかりやってないで、曲をもっと憶えましょうね、ハイ・・・苦笑。
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[ 2008/05/05 19:24 ] Fiddle | TB(0) | CM(5)

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[ 2008/05/05 21:42 ] [ 編集 ]

スンゴイ~!

それらしい音出てるじゃないですか~。執念ですね。今度ナマで聞かせて下さい。
メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲の例の部分、「アート・オブ・ヴァイオリン」で若いメニューインがサイボーグのような顔で、腕をガーっと上下運動させていたのがとても印象的でした。どうやったらあんなことできるんだろうと思って見ていたのですが、モハーさん、やっちゃいましたね。うらやましいです。
[ 2008/05/06 00:13 ] [ 編集 ]

おおー

すごいですねー
僕もやってみたいと思いましたがまったくヒケマセンでした。
アップボウの音を発音できたら完璧ですね♪
[ 2008/05/06 00:39 ] [ 編集 ]

まだまだナンチャッテで・・・^^;

>Iさん

先月のレッスンでコソ見されてたからなぁ・・・^^;

多分、ここまではできると思いますよ。確かにやり始めた以上執念でやってますけど、これからが難しいデス。

「アート・オブ・ヴァイオリン」に限らず若きメニューインってほんと、サイボーグみたいですよね。端正な顔立ちを崩すことなく難曲を楽々弾いている感じがします。
勿論今回の案件に関しては彼の映像を穴が開くほど観てましたけど・・・^^;。あの動き、やってみたらなるほど、って部分もあることが今回わかりました。

ま、ナマは話半分程度でどーぞ・・・苦笑。そんなたいしたもんじゃないですから・・・。
[ 2008/05/06 00:54 ] [ 編集 ]

照れる・・・^^;

>なっとーさん

先日はおおきにじゃったあるね。

アップボウを切れ味鋭く弾ききるのはかなり難しいですね。E線はどうにかゴマカシがききそうなんだけど、A線・D線は音がちゃんと切れません。ゆっくりとスタッカートの練習を地道にやらないとダメなんでしょうね。この地道な練習っつうのが一番苦手なんですよね、私・・・苦笑
[ 2008/05/06 01:00 ] [ 編集 ]

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