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5cm F2の世界(1) Summar

前回記事に登場した沈胴式+5cm+F2の3レンズ、系譜的に言えばSummarを始祖としたF2の直系三代で、発売開始年は

Summar:1933年
Summitar:1939年
Summicron:1953年(Mマウントは1954年)

となっている。親子三代などとよくいうが、ライツ社が心血を注いだF2血脈といったところだろうか。間に別ネタが入ってしまうかもしれないが、折角この三代を入手したことだし、各々について分けて書いてみようと思う。

Summicronから見てお祖父さんにあたるSummarは当時のライバルだったContaxのSonnar50mmF2(1932年)に対抗すべく開発されたライカ初の大口径レンズである。1933年から1938年の間に約12万本製造されたそうだ。
尚、以前にSummarを採り上げたときに一種類のみと表記したが、発売初期には固定鏡胴のものが2000本ほどあったことを付記しておく。

Sonnar(カール・ツァイス)の3群7枚ゾナー構成に対して、Summar(ライツ)が4群6枚ガウス型。詳しいレンズ理論は説明できないので詳細は省くが、この当時はコーティングの技術がなかったため、空気との境界面が多いガウス型は内面反射が多く、世評もSonnarが圧倒的優勢だったようである。「開放から使えるSonnar、開放では像を結ばないボケ玉のSummar」という酷評もあったらしい。いくらなんでも開放で結像しないというのはヒドい表現だと思うが、Summarは前玉に柔らかい硝材を用いていたため傷つきやすいという致命的な欠陥も持ち合わせていた。私が入手したものも細かいキズやクモリがあるが、ある意味このレンズの状態はそれが一般的っぽい。神業的磨き師がおられるらしく、その方の手にかかるとSummicron並の像を結ぶレンズに生まれ変わるとも聞く。絞りはF2〜12.5まで。

Summarの絵は過去にも紹介したが、そこからまた結構いろんな場面で使ってみたのでもう一度紹介してみよう。

逆光に滅法弱く晴天下では順光でも注意が必要なレンズだが、光の入る方向を工夫してあげれば開放でもしっかりとした輪郭が出る。これは3月1日(木)のADLIB@横浜にお邪魔した際に撮影した。ライブハウスも照明の度合いを読むのが案外難しい場面だと思う。
R0028374.jpg
R0028375.jpg

比較的小さいハコで後ろにもあまり引けないから構図はなかなか難しいのだが、比較的綺麗に撮れている。

そこそこ明るさが担保されている環境であれば夜間でも実にしっとりとしたいい質感が出る。
R0028398.jpg

扱いに慣れてきたというのもあるが、「ボケ玉なんて誰が言った?」というツッコミをしたくなるくらいよく撮れていると思う。

ところで・・・。
たまたま見かけたページ(http://www.geocities.jp/scc666jp/page0423.html)にあった以下の表記が、Summarの使い方のヒントになるかもしれない。

・・・引用開始・・・
高感度フィルムを使用する場合,快晴の海や山(5月頃の残雪など)では最大に絞ってもシャッター速度1/500秒では露出オーバーになる可能性がある。 1/1000秒を備えたカメラであればまず安心だが,光量の多い所での撮影ではISO 100程度のフィルムを用意しておいた方が良いであろう。
・・・引用終了・・・


晴天下では順光でも絞り開放ではフレア気味で夢見心地みたいになるのはISO感度も関連するのか、と思い当たった。ISO-Lo(GXRの表記。実質ISO100相当)、露出もアンダー気味(-0.3〜-1.0)で撮ってみた。

R0030452.jpg
ISO=100、シャッタースピード=1/3500、絞り開放

ひゃはは、これはいい。絞り開放でこれなら上出来だ、と思う。
全般的にライカのオールド・レンズはモノクロでの豊かな諧調と比べてカラーでは少し淡い感じになる、と思っていた。実際もともとカラー写真なんて想定していない時代のレンズだしね。それでもこうしていくつか工夫していくとソフト過ぎず、カリカリせずのちょうどよい写りが絞り開放から楽しめるというのがわかったのは今回の大きな収穫だった。

こちらは場所は違えど花の描写。
R0029647.jpg
ISO=200、シャッタースピード=1/80、絞り開放
R0030489.jpg
ISO=100、シャッタースピード=1/440 絞り開放

被写体が違う上にシャッタースピードにかなり差があるので単純比較はできないが、低感度でそれなりのシャッタースピードを確保できれば夢見心地感はかなり解消できそうだ。

日も長くなって来ましたね。
R0030525.jpg


続く・・・
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[ 2012/03/13 00:09 ] Camera | TB(0) | CM(4)

No title

山崎さんの工房ですね。
近いんじゃないですか・・・?
[ 2012/03/13 08:51 ] [ 編集 ]

No title

>Northfieldさん

さすが、よくご存知で。
近くはないけど日常的な移動半径には入ってますね。
今の状態でのクセを楽しむか、本来の輝きを体験するかは悩ましいところですね。
[ 2012/03/13 10:06 ] [ 編集 ]

No title

うおー!
素敵な写真ですな。

私もこんなお花の写真撮りたい!!

うがー、ライカー!!!笑
[ 2012/03/13 22:39 ] [ 編集 ]

No title

>はるさん

おおきにです。
はるさんもいい写真を撮っておられますねぇ。

花の写真は難しい・・・。なかなか思ったように撮れません。
でも、ライカレンズは楽しいです(笑)。ここはひとつ沼にハマってみませんか(爆)

[ 2012/03/13 23:49 ] [ 編集 ]

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