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90mmのElmar二種

やっと紹介する気になった長焦点レンズ、Elmarの90mmレンズ。GXRに搭載すると実質135mmという立派な望遠サイズで取り回しが厄介だなぁとか思っていたのだが、街撮りを中心としたスナップでも結構いける感触をようやく最近掴んだので紹介してみる。

Elmar9cmF4(M)
Elmar9cm.jpg

Mマウントの沈胴タイプで、3群4枚のTessar型。絞りF4〜F32、最短撮影距離1m。フィルター系は39mmである。沈胴とはいえ胴を沈めると見た目はコンパクトだがかなり重たいレンズである。メカとして見ると沈胴型の完成形といってもよい実に精巧な作りで見事というしかない。

沈胴時の大きさはこんな感じ。Elmar5cmと並べてみた。
IMG_1981.jpg

同じくElmar5cmとの比較で、こちらは使用時の大きさ。
IMG_1982.jpg


90mm(実質135mm)の画角なので、遠景を撮るとか近寄れない被写体を大きく写すという点では使いやすいのだが、それ以外の場面での用途がなかなか思い浮かばなかった。そうはいっても折角入手したのだから遠景を大きく写すだけでは芸がないので「いかに撮りたい部分をうまく切り取るか」を意識して最近よく持ち出すようになった。何せピント合わせのヘリコイド回しも相当量回すことになるのでシャッターチャンスを何度も逃しているのが実態だが・・・苦笑。
スナップ撮り中心なのでもどかしさはまだまだあるのだが、こういう長焦点のレンズの扱いに慣れればフレーミングに幅が出るのではと淡い期待を抱いている。


以前NoktonClassicで出した川崎大師の亀池。
R0044754.jpg
これだけいると若干気持ち悪さもあるなぁ・・・(苦笑)。

これはこのレンズが、というよりはElmarが、という方が正しいかもだが
R0045505.jpg
少し絞ると時々こういう乾いた感じの変わった描写をすることがある。

Diglightでも何度か使っている。
R0024420.jpg
まだ扱いに全く慣れていない頃で、奏者の手元アップが主になっていた・・・。

建物の描写もよく撮れる。
R0045490.jpg
こういう被写体は絞った方が切れ味が良くて概ね結果がよい。


因みにライカは35mmや50mmと並んで90mmには力を入れていたらしく、Elmarの90mmレンズにはかなりのバリエーションがあるようだ。マウントの違い(Lマウント、Mマウント)もあれば、沈胴か固定鏡胴かというのもあるが、ライカでは珍しい3枚玉(トリプレット)仕様のものがある。

トリプレットは凸凹凸の3枚構成、レンズ収差を補正できる最低基本構成のレンズのこと。このタイプはズームレンズを搭載しないコンパクトカメラのレンズにも採用されているようだ。重量・コストを抑えることができる反面、大口径化・広角化が難しいらしいが、レンズ枚数が少ないゆえに抜けの良いクリアな画像が得られるらしい。Elmarなどに採用されているTessar型はTripletの発展型という理解でよいと思う。

トリプレットという語感がよいし(アイリッシュ系、フィドル系のネタでは何度も使っている言葉)、「カミソリエルマー」の異名もあるこのトリプレット・レンズがどんな写りなのかという興味はあったのだが、先述の通り普段使いの用途がなかなか思い浮かばない画角であることに加えて6,000本程度しか生産されていないという希少価値(≒なかなか見かけない、見かけても高価)が難点だった。
ところが実に偶然というのは恐ろしいもので(笑)、ある日手を出してみようかという値段で、しかも2本、セリに出てきたのである。この2本の即決価格は倍ほど違うが、セリで見かけた時点では似たような値段で推移していた。当然ながら即決価格が安い方で、しかも即決価格のちょいと手前で張っておいたら、あっさり我が手に落ちたのだった。(もう1本は出品者の希望額に到達せず流れたようで、再度セリに出ていたがどうなったかまではフォローしなかった)

Elmar90mmF4(Triplet)
TripletElmar.jpg
Mマウント、フィルター径39mm。重量は沈胴式より軽く見た目もスマートだ。

GXRに搭載するとこんな感じ。
IMG_3390.jpg
細身な分、レンズがより長く感じられるが重量のバランスは悪くない。


3群4枚Tessar型から1枚減らすに当たり、その当時の新種ガラス(ランタン系?)を用いたらしく、モノによってはこのレンズが黄変しているものもあると聞くが、入手したものは大丈夫そうである。外観はさすがに半世紀以上経過したなりの使用感があるものの、実用的には全く問題ない。
(この「実用的に問題ない」というレベルを見極めるのが安値で入手する最大のポイントだと思う今日この頃・・・)

TessarでもTripletでも絞って撮るのがよいとされるレンズだが・・・
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絞り開放でも別に悪くない。というかなかなかいいじゃん。

画角的にムリがあるかと思っていた中国庭園の回廊も
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なかなかいい感じで撮れるじゃないか・・・笑

ムリを承知で人物も狙ってみたがなかなかよく撮れる。
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後日本人にお渡ししたらお酒をご馳走してくれました(ゴチソウサマ)

F8くらいまで絞るとかなり鮮明な絵を出してくれる。
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スカッと鼻が抜ける(?)心地よさだ。

セッションでもISO感度さえ注意しておけばじゅうぶん戦力になる。
R0045878.jpg


まだそんなに枚数を撮ったワケではないが、確かに素晴らしい描写をするレンズだ。3群4枚玉の写りも好きだし、大きく性能が異なるとは今のところ思えないので沈胴タイプとの棲み分けが微妙になった気はするが、「ライカの90mmにハズレなし」というのは言い得て妙だと感じた次第・・・苦笑。
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[ 2012/06/05 00:18 ] Camera | TB(0) | CM(0)

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