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カミソリとナタ

前回記事では久しぶりにSummitar5cmF2をピックアップしたが、そこで最近は重量級レンズのスナップが多いことも触れた。一眼レフ用レンズであるRマウントのレンズが増えたことが主要因であるが、Rマウントレンズより遥かに重たいMマウントのレンズも実は手許に来ている。

Summicron90mmF2
Summicron90mm.jpg
仕様変更の多いレンズで、これは第一世代の4th Versionらしい。Made in Canadaである。


5群6枚構成、フィルター径48mm。フード内蔵型でとにかく重く、600gを優に超える超重量級レンズである。90mmの焦点距離はElmar2種を使っているが、Summicronも相当いいらしいと聞くし、実際作例もなかなかよいので比較的安値の玉(とはいえ、90mmレンズとしては高めだが・・・)を狙い撃ちで落札した。実際手にしてみると非常に精巧な作りと重みに感服する。と同時に上記の写真の通り内蔵フードをいっぱいに伸ばすととてつもなく長くなるレンズに呆然とする・・・苦笑。

開放F値が2とはいえ、90mmの焦点距離となればピントがあっている部分は非常に薄くなる。意図したポイントにピントがあえば気持ちがよいが、外す危険性も当然ながら高い。まぁ、難しいことは考えずにまず試写ですな。

ファーストショットは自宅近隣で。まだ紫陽花も残っていた時期のことである。
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何と言いましょうか、被写体を浮き上がらせるというよりはピント面を外れた部分から一気にボケて後方に封じ込めることでピント面を強調しているような描写だと感じる。90mmの焦点距離でF2という明るさが成せる業だろうが、二線ボケも目立つ50mmレンズとは違ってトロけるようなボケ味である。ピント面の描写は緻密かつ繊細で、こうした近距離で絞り開放の撮影だと50mmレンズより柔らかい印象を持った。

当然ながら会社帰りのお散歩スナップでも既に使っている。普段のスナップ散歩道でもよいのだが、ちょいと趣向を変えてこの日は月島経由にしてみた。90mmで撮りまわすには広い空間の方が楽しかろうという安易な考えであるが、なかなか楽しめた。

まずは大横川沿いを隅田川方面に向かう道すがら。
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この川沿いの紫陽花は時期が他より遅い。絞って撮ってみたがさすがにシャープな描写だ。

大横川沿いから横道へそれて越中島方面へ。
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被写界深度の具合を見るために撮ってみた。さすがに浅いね。

奇跡的に動く被写体に対してそれなりのピントが得られた一枚。
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動く被写体相手のジャスピンは至難の業である・・・苦笑。

左折して月島方面へ向かう。
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仕事帰りの散歩とはいえ陽が長いおかげでシャッタースピードは稼げるものの、この重量となると手ぶれの危険性も上がる・・・苦笑。特に縦撮りは要注意。中には三脚を立てないと必ず手ぶれするという意見もあるようだが、それは少々オーバーな表現だと思う。尤もレンジファインダー機で90mmジャスピン自体がなかなか難しいのかもしれないが・・・。

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遠景なら絞り開放でもシャープな絵を出してくれる。



道すがら通る越中島には東京海洋大学のキャンパスがあり、フェンス越しに日本最古の鉄船である明治丸(重要文化財)を眺めることもできる。
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撮影に邪魔なフェンスも絞り開放ならトロトロにして消してくれる(笑)

屋形船の停泊場。
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落ち着いた発色でよい雰囲気だと思う。




因みにTriplet型のElmar90mmF4を紹介したときに「カミソリエルマー」という異名があることを紹介したが、「カミソリズミクロン」という異名もあるらしい。

競馬好きとしては「カミソリ」とくれば「ナタ」だ。その昔、無敗で2冠を制した「コダマ」と史上2頭目の3冠馬「シンザン」を「コダマはカミソリの切れ味、シンザンはナタの切れ味」と調教師が評したという逸話である。(この後ろに「シンザンは髭も剃れるナタ」と続くそうだが、重要な一言の割にこっちはあまり触れられることがない)

カミソリの異名を持つTriplet ElmarとSummicron、絞り開放での薄くピント面を切り取る描写や絞っても繊細な描写を見るとSummicronこそカミソリかなと思う。
R0048285.jpg
Summicron90mmF2

対して絞れば有無を言わさず全面をシャープに切り取るTriplet Elmarはナタかな、とか思う。
R0048383.jpg
Elmar90mmF4(Triplet)

カミソリが上かナタが上か、というコトではなくイメージですよ、イメージ。


いずれにしても90mmレンズもよい玉が揃ってくれたものである。
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[ 2012/07/04 00:54 ] Camera | TB(0) | CM(0)

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