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魔性の大口径レンズ

ライカの交換レンズにNoctiluxという50mmレンズがある。ライカが用意したRF用の交換レンズで開放F値が最も明るいレンズに冠する名前で、現行品は非球面レンズ採用の開放F値0.95というとてつもなく明るいレンズである。(初代は1966年発売で非球面レンズ採用の開放F値1.2、二代目が1976年発売で非球面レンズ不採用の開放F値1.0)
とてつもないのは値段も同様。初代のNoctiluxは非球面レンズを手磨きで作っていたというから高値も当たり前といえば当たり前。とはいえ、コストダウンした2代目以降のレンズでさえもこれまでかき集めたレンズ全てを売り払っても買えないお値段。もっといえば我が家の楽器を高い方から順に何台も手放さないと買えない・・・苦笑。さすがにここまでの値段となると一般庶民の物欲など木っ端微塵である。

代わりにと言うと何だが、手許に来てただ今お騒がせ中なのがこの玉。
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Nokton50mmF1.1

玉を覗いていると吸い込まれそうな錯覚に陥いる。「さっさと大口径開放の穴(ワナ?)に落ちておしまいなさい」と囁かれているような危険なオーラがプンプンする玉だ・・・苦笑

Noktonは、Cosina-VoigtlanderのレンズでF値が1.5以下のものに冠する名称。Cosina-Voigtlanderは50mmレンズで非球面レンズ採用の開放F値1.5という玉を出していたが、入手したのはその上を行く「BESSAシリーズ10周年記念、コシナ創業50年の集大成」として出た開放F値1.1というこの玉である。非球面レンズを採用していないという点からも、明らかにNoctiluxの二代目50mmF1.0を意識して作られたレンズであろう。レンズ構成6群7枚、VMマウント、絞り1.1〜16、最短撮影距離1mでフィルター径は58ϕ。あえてF1.0以下ではなくF1.1にしたのはCosinaの奥ゆかしさだろうか。

「プアマンズ・ノクチ」というあだ名もあるようだが、普通の金銭感覚ならNoctiluxの方が「リッチマンズ・ノクトン」ではなかろうか、と思う・・・笑。まぁ、いい。F1.1という大口径でしか得られない絵がどんなものか、それが自分の好みに合えばそれでよい。

ファーストショットはこれ。
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あ・・・、あ・・・、明るい・・・!

道路照明だけの暗闇、横断歩道を渡るネコ。
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さすがにジャスピンとはいかなかったが、ISO200ですぜ、旦那!

被写界深度は当然ながら相当浅い。我がまずい面で申し訳ないが・・・
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恐らくピントは右目あたりの面だと思うが、左目あたりになると既にボケ始めている。

これを見てもピント面の薄さはよくわかると思う。
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京急川崎でやっていた駅内アナウンス体験。駅員姿のこども達が実にかわいく凛々しい。

発色は見た目に忠実で扱いやすい。(なかじ氏も同意見だった)
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かっぱえびせんの赤は、ここの店内だと実際こんな感じの赤に見える。


薄いピント面から外れるとトロトロにボケる。ただ、ピント面は思ったよりシャープで、ピント合わせは比較的やりやすい印象。狙い通りに撮れたときの達成感は相当なものがある。ボケ加減も煩い感じはなく、ピント面を際立たせる役割を快適・効果的に果たしていると思う。




セッションでも既に使っているが・・・、ヒト撮りは被写界深度が浅すぎてよい加減を掴むのがなかなか難しい。

6月22日(金)、Morrigan's@四ツ谷にて。
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被写体との距離をよく考えないと中途半端な絵になってしまうね。ISO感度はさすがに800まで上げたが、奏者の動き程度なら楽々動く被写体も狙えるのはありがたい。
(→残りの写真はこちらをどうぞ。)



6月23日(土)、Irish Times 2号店@新橋にて。
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ハシゴで#Case1@小川町へ流れた。
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珍しくHarmoniumも・・・。


(→残りの写真はこちらをどうぞ)



7月4日(水)、Warrior Celt@上野。
この日は某所で開催のワークショップと被っていたので、まるで入替制のようなセッションでした。当然ながら私は早番で参加し、遅番チームがドヤドヤお店に入ってきたところで入れ替わった。

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吹き物、擦り物、バランスよく揃ったセッションでしたね。




ブツ撮りとの相性は抜群だと思う。

川崎のLa Cittadella 界隈。テント屋根を畳んで吊ってあるだけなんだが・・・
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ピント合わせだけ注意すれば、何の変哲もないものでも絵になる・・・笑

この界隈はイベントが多く、何の気なしに立ち寄ってもスナップを楽しめるありがたい場所のひとつ。
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ジャスピンできなかったのが痛いが、髪の毛のしっとり感はよく出ていると思う。

そこらに置いてある樽を撮るだけでも
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やっぱり、他のレンズでは感じられない独特の質感がある。


調べてみたら、このLa Cittadella、相当な歴史や記録があって驚いた。戦前の1936年川崎最初の映画館である銀星座をオープンしたのがそもそもの始まりのようである。1987年には別個の建物にあった映画館をひとつのビルに収容しチネチッタとなったが、現在のシネマコンプレックスの走りとなる出来事だったようである。現在の構成は2002年完成、その翌年2003年から4年連続で年間動員数、興業収入全国第一位・・・。そんなに凄かったのね、ここ・・・笑



もちろん会社帰りのスナップ散歩にも持ち出している。

苦手にしていたボトルの写真も・・・
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NoktonClassicもいい絵を出したが、この玉もぬめり具合というか、独特の質感を出してくれる。


重さが428gもあり既出のSummicron90mmF2と一緒に持ち歩くとこの二つだけで1kgを超えるところが難点だが、ピント合わせの過程で被写体がボワーっと浮かび上がる快感はこのレンズでしか味わえない。一枚撮るとその出来如何に関わらず「もう一枚」「もう一枚」となってしまう魔性のレンズだ。

現行ノクチの写り映えも正規値段も知らないが、Noktonのお値段がノクチの1/10と言われていることを勘案すると圧倒的なコストパフォーマンスであり、唯一無二の世界を庶民にも見せてくれるよいレンズである。庶民的といってもあくまでも本家と比べたらの話であり、いかに中古とはいえこのような超マニアックな玉に触手を伸ばすようになっては、入隊せずとも「大口径開放戦線」真っ只中と笑われても致し方ないところではある・・・苦笑。

(注)価格に関して
定価は二桁万円ですが、新品の流通価格は二桁万円未満。新品の中には円高を利した逆輸入品で比較的安価な玉もある。中古は丁寧に探せば定価の半値以下で買える玉も出てくる。セリで落とす場合、執拗に絡んでくる相手が出てきたらさっさと撤収して次を待つ方がよい。現行モデルだからね。
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[ 2012/07/06 23:27 ] Camera | TB(0) | CM(0)

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