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Hektor 2.8cm F6.3

Nokton50mmF1.1の入手で、開放F値という側面での高性能レンズは大体打ち止めである。
半年強で随分多くのレンズを手許に揃えたものだと我ながら呆れるが、Summicron50mmの固定鏡胴タイプ以降は比較的新しい高性能なレンズに偏りがちだった。Rマウントレンズを意識的に補強してきたということもあるが、機材の重量化が進んでおり、安値で買える身軽でクラシックなレンズで面白おかしく遊ぶという主題が薄れてきている。
ただ、丹念に探せば確実に安値玉が見つかるレンズはあらかた掘り尽くした感があり、Summilux各種とかSummicron35mmなどのようにいくら探しても高過ぎて買えない類のもの以外は大体入手してしまった。安値で出てきたら狙おうという玉はまだあるが、ここからは時間をかけてじっくり狙うしかないようなものがほとんどである。そんな中、アキラメかけていた玉がセリに出てきた。

Hektor2.8cmF6.3
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恐らく純正ライカの交換レンズで最もコンパクトなレンズだろう。重さは100g強

製造年は恐らく1935年、発売開始年のもので、私が所有するレンズで最も古いレンズとなった。3群5枚構成、絞り6.3〜25。
Hektorの名前はライカのレンズ開発者Max Berekの飼い犬の名前が由来らしく、この名前を冠するレンズは今回入手した2.8cmF6.3以外に5cmF2.5、7.3cmF1.9、13.5cmF4.5などがあるが、13.5cmF4.5以外の入手はなかなか難しい。玉の数そのものが少ないのだ。

実はHektor2.8cmは一度Yutaさんのものを試写させてもらったことがある。そのレンズはクモリがちょいと目立つ玉だったが、そのコンパクトさに驚愕すると同時に私の頭の中では「Hektor=2.8cm」というイメージが出来上がってしまったのだった。
しかし如何せん9,700本ほどしかないレンズ、数ヶ月ほど探し回ったのだが見つかっても高値であった。開放F値が6.3という仕様は「5時からレンズ」としては厳しいというのが勤め人にとっては結構痛いし、そういうレンズを「何が何でも」という気分にもなれず暫く調査もしていなかった。
ところが久しぶりに検索してみるとこの玉の相場が以前より軟調で、手を伸ばせば届きそうなものが散見されるようになっていた。しかもほとんど競っている様子もない。入手した玉は見かけた中で2番目に安い玉であったが、以前Triplet Elmarでお世話になった出品者という安心感からこちらを選んだ。素人判断だが齢80を迎えようとするレンズとは思えないくらい状態がよい。

レンズ到着が休日夕方だったので、まずは自宅近隣でざっと試写。最近は重量級レンズの頻度が高かったのでコンパクトなレンズの身軽さが実に嬉しくもあった。まるでレンズを載せ忘れたような感覚である(笑)。

うわさに聞いていた大師公園の縁台将棋群。今も結構盛んである。
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ちょうどワンちゃんもいたのでパシャ!。多いときにはこの周辺で同時に6〜7局指しておられる。


この日は曇りがちで眠たい感じの描写が多くなったが、案外悪くない。
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モノクロもカラーも派手過ぎず、それでも光線の描写はなかなか繊細である。やるじゃん!


開放F値が暗い分、被写界深度が深いから撮り回しもよく、日中撮りで重宝するレンズとなるだろう。ただピントの山を捉えにくい場面があり、そういうときはピンボケではないものの眠い絵になっていた。この辺は使う中でコツを掴むしかないと思う。
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晴れた日の絵も欲しくて8日の夕方に再度試写した。

逆光のテストも兼ねて狙ってみた絵。
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フレア・ゴーストとともに現れた光線の具合が気に入っている。カラーもモノクロもなかなかいいなぁ。


F6.3ではなかなかボケ具合を確認できないが、無理やり狙ってみた。
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川崎大師恒例の風鈴市は18日〜22日までである。人は多いだろうが何度かスナップで訪れる予定。


薄手の雲があるときは空を大きく入れたアングルの描写がなかなか楽しい。
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やるねぇ。渋い色出しだが、よい質感だと思う。




感度を目一杯あげる覚悟で会社帰りのスナップにも使ってみた。
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F9まで絞るとほぼ全域にピントがくるのでスナップは実に楽。


何てことない交差点だが・・・
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なかなか渋い絵である。


28mmレンズらしい空間の広がりや遠近感が気持ちよい。このレンズの販売当時としては「超広角」の仕様だろうが、歪曲もよく押さえ込めていると思う。日陰だとさすがにISO1600くらいまで上げないと厳しいが、夕焼けの光量があればISO800くらいでじゅうぶん勝負できた。



「今日はクラシックな気分で遊ぼう」というときには、広角側はHektor2.8cmF6.3とElmar3.5cmF3.5で決まりだろう。生憎、Elmar3.5cmF3.5が二台とも出張中のため、8日の夕方はHektor28mmF6.3とXenogon35mmF2.8をセットで持ち出した。

Hektor(右)の厚みはXenogon(左)の半分程度。
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身軽なセットとしては最強レベルだ。


ついでにXenogonの絵も載せておこう。

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シュナイダー・ブルーという表現があるそうだが、見事な青空を描写してくれる。


地味で時代がかった描写のHektorと対照的な描写なのでなかなか刺激的なセットである。広角側だけで持ち出すならHektor+Xenogonに、ElmarかSummaron(前期型)のいずれかというセットが面白そうである。この組み合わせなら描写の違いを楽しみながら、フットワークよくスナップを楽しめるだろう。
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[ 2012/07/10 07:46 ] Camera | TB(0) | CM(0)

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