FC2ブログ






まさかの大口径レンズ

ヒマに任せてブログの年末大奉仕みたいだが、レンズ「ヲ」一直線の2012年だったので、締め括りもレンズ「ヲ」なネタにしてみた。思わせぶりにレンズ名を伏せておいた玉のことである。

興味は持っていたが、まさかこんな物騒なものが年末に現れるとは思ってもいなかった。
Summarex8.5cmF1.5
Summarex_1.jpg
Max Berek設計の大口径中望遠レンズ。


製造本数が4,342本(5,000本強という説もある)というレア度が高い玉で、セリでも数回見かけた程度だったのだが、暮れに入って立て続けに3本も登場しその中の1本をポチった。1950年製と思われコーティングもされている。

このレンズの名前の由来はSumma(最高の)+Rex(王様)でレンズの王様とも読めるが、RexはHektorと同様Max Berekの飼い犬の名前だったそうである。1948年〜1960年の間製造販売されたそうだが、戦争真っ只中の1943年から軍用として少量供給されていたらしく、開発そのものは1936年にほぼ終えていたようだ(プロトタイプとしてSummar90mmF1.5が確認されているそうな)。
5群7枚構成のGauss型であることから、Summarの流れを汲んだ玉でこれの後継機種はSummicron90mmF2ということでよいと思う。絞りは1.5〜16、最短撮影距離は1m(距離計表示は1.5mまで、但し手許の玉はFeet表記)で、フィルター径はねじ込み58mm(E58)。

写真を見てもわかる通り、とにかくデカくて重い。公称重量750gとも800gともいわれるその躯体はまさに金属とガラスの塊、しばらくこの玉で撮影していると間違いなく腕がガクガクになる「腕力養成ギプス」レンズで、既に手許にある重量級レンズSummicron90mmF2をも凌ぐスーパー・ヘビー級だ。
Summarex_3.jpg
Summarex(左)とSummicron90mm。全長はSummicronが若干長い。


光学系は年代を考えればじゅうぶんだが、当てキズやフィルター枠の当たり(フィルターはどうにか付く)もあり実用品レベルという状態。この当たりはレンズの重さに耐えかねてストラップが切れるなどして落下したことがあるのではないかと推測している。なので持ち運びはカメラを首から提げてボディではなくレンズを保持することにしている。ボディのマウント部が破損するリスクを回避する意味合いもあり、Summicron90mmF2やNokton50mmF1.1でもそうしている。

特徴的な純正フードも付属。何とこのフードは嵌合式、これは初めて見た。
Summarex_4.jpg

どうせデカい玉だし昼間撮りならこのフードも装着するのが流儀かもしれぬ。
Summarex_2.jpg



例によって届いたその日から実戦投入、12月22日のことであった。こういう重たい玉を使う場合、目測である程度距離を測っておいて瞬時にシャッターを切るのが大事。構えてからの時間が掛かるほど手ブレで歩留まりは間違いなく落ちるし、腕がガクガクになる・・・苦笑。

新橋。開放で狙ったが、どこにピントが来ているかわからないくらい幻想的になった。
DSCF2726.jpg
因みに手前のピンクは風船ではなくイルミネーションの前ボケである・・・笑。

DSCF2744.jpg
雨上がりだったから花や葉に残る雫が玉ボケできれいに彩ってくれた。

絞り開放だとウルサイくらいのボケが出るがF2~F2.8に絞れば一気にシャープな絵になる。
DSCF2966.jpg

DSCF2969.jpg
東京駅丸の内側。ピントはやや甘いが少し絞ればとてもシャープで古の大口径レンズらしいと思う。

八坂神社にて。晴天下の絞り開放だがシャッター速度1/4000を備えていればじゅうぶん使える。
DSCF3120.jpg
たまたま少しプラス補正になっていたのだが、発色などを含め結果的にそれでよかったようだ。

フィールドでも使ったが、少し被写体と距離を取れることが前提だが結構使える。
DSCF3225.jpg
ソフトな描写はポートレート用としても相性がよいだろう。


年末のドサクサに紛れてまさかこんな玉がという感じだったが、思ったよりいろんな場面で試写でき、その描写もこちらの期待を裏切らないよさであった。問題は何といっても大きさ・重さだが、こういう玉は持ち運べる体力があるうちにドシドシ使うべきだろう。Summicron90mmtoあわせていろんな場面に使ってみたい。

というワケで2012年のブログ更新はこれにて終了。皆様よいお年を、そして2013年もよろしくお願いいたします。

スポンサーサイト



[ 2012/12/31 17:38 ] Camera | TB(0) | CM(2)

いや~参った!

ここまで来るとは・・・

しかし、きれいな写真ですね
[ 2012/12/31 19:56 ] [ 編集 ]

>Northfield さん

年末は立ち寄れず・・・、持って行きたかったんですがね、このSummarex。
これは本当にすごかったです。奥深さを感じた一年でした。
まだ早いですがGWあたりにはお店の楽器を撮ってみたいと思います。もう少し使い
こなせるようになれば、もっとこの玉の実力が出るでしょう。
[ 2012/12/31 21:32 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://moher.blog28.fc2.com/tb.php/748-453d1366