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レンズ与太話(その2) ~~Hektor 5cm/f2.5~~

ひねくれ者の私であるから、与太話の第二弾は28mmに続いて50mmのHektorを選んでみた。Hektor名義の玉は28mm、50mm、73mm、135mmとVisoflex用として125mmの大別して5種類がある。(リリース順は50mm/f2.5、73mm/f1.9、135mm/f4.5、28mm/f6.3の順。125mmは戦後のリリースでMax Berekの設計ではない)

Hektor 5cm/f2.5(1931)
Hektor(1931).jpg

この50mmのHektorも以前このブログで軽く紹介したが、詳しくはLeica Wikiがいいだろう。Leicaレンズの原点である50mmのElmarに続いてリリースされた標準レンズであるが、製造本数はElmarと雲泥の差で諸説あるが1万本程度だったらしい。3群3枚構成のトリプレットを基本に各群2枚張り合わせにして3群6枚というユニークな構成は73mmのHektorでも採用されている。(28mmは2-1-2の3群5枚、135mmは1-2-1の3群4枚)
なお、全く翻訳できない言語で書かれているサイトだが、Marco Cavinaによるとこの3群6枚をさらに拡張する構想もあったようだ。前群の2枚を張り合わせず空気レンズを挟み込む4群6枚(50mm/f2)や3群6枚の前にさらに1枚入れる4群7枚(50mm/f1.3)の構成図が掲載されている。

手許に2本あるHektor。この当時使われていたガラスの質感が何ともいえず魅力的だ。
2Hektor.jpg

左が最初に入手した玉。レンズ再研磨で有名なY研究所でオーバーホールされており、外観はちょっとくたびれているが光学系はほぼ問題ない。シリアルナンバーを信じるならば1931年製である。
右は昨年入手したもの。ジャンク品かと見紛うような値段で手許にやって きたのだが、キズと曇りがやや多いものの鏡胴はこちらの方が綺麗だ。シリアルナンバーを信じるならば1933年製である。

以前50mmのElmarで触れたが、Hektorにも鏡胴番号がピントノブの裏に刻印されていて、最初に入手したものが「2」、後で入手したものが「0」となっている。レンズ固定式からレンズ交換式に換装されたElmarには「2」がないとされているのが不思議であったが、Hektorに振られているとは思わなかった。メジャーなElmarに対してHektorの情報は極端に少なく詳しいことはわからないのであった。

この時代としてはかなり頑張った設計ということもあるだろうが、あらゆる状況で安定感があるElmarと比べるとかなりのジャジャ馬である。撮り手の実力と経験が試される玉で、正直なところ使いこなせるレベルに達せられるかいまだに自信がない・・・苦笑。
これは開放近辺での描写。モノクロのJPEGでレタッチはしていない。
L1003795.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + Leica M Typ.240

前ボケが比較的柔らかくて好印象な反面、背景のボケはがさつきちょいと煩い。当然ながらモノクロの描写としては見事な階調表現だと感じる。

こちらはRAWデータをストレート現像したもの。
L1003981.jpg
Hektor5cm/f2.5(1933) + Leica M Typ.240

モノクロ前提のレンズとはいいつつ、若干黄色い印象があるがカラーでの表現も悪くない。狙った被写体の浮き出し方はElmarより柔らかいものの程よいレベルと感じる。白がやや煌めく特徴が見られる。

絞り開放近くで遠景を狙うとかなりボヤっとした像が出やすい。APS-Cで使おうがフルサイズで使おうが、遠景は絞り近景は開くという基本線を守ると解像感のある比較的安定した描写が得られやすいと思う。これはF4くらいまで絞っているのだが何となくボヤっとした感じで出来損ないの記録写真のようでもある・・・苦笑。
L1007243.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + Leica M Typ.240


ボケはとても個性的。73mmのHektorもそうだがこの玉もカエルの卵状の玉ボケが発生する。
DSC09357.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + SONY Alpha7


等倍で切り出してみるとよくわかるのだが、なかなか強烈である・・・笑。背景になった木の部分はほぼレンズの中央部分を使っていることもあって、煩いくらいに玉ボケが出ているが形は整っている。ピント面の葉っぱは太陽光に縁取られたような独特の線を描いている点がこの玉の特筆すべきところかもしれない。
BokehOfHektor.jpg

それに対して中央部から外れていくと玉の形が崩れ始め、左下あたりになると円周上に引き摺られるようなグルグルボケの兆候が観察できる。
BokehOfHektor_2.jpg

SONY Alpha7でありがたいのはLive Viewでこのボケの様子も撮る前に大体判断できるところで、クセ玉の類いはSONYでいろいろ試して経験値を積んでおけばご本家でも作画意図を反映しやすくなると思う。

こういう背景を気にしないで撮れる環境だと安定した描写を得やすいが、絵として面白みを出すだけの能力が私にはないのがつらいところである・・・苦笑。
DSC09340.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + SONY Alpha7


絞れば多少マシになるが白・銀系の色はフレアを伴いながら煌くのも特徴のひとつ。また、色を問わずピントを外れたあたりから急速に像の滲みが顕著になる。73mmのHektorが滲み玉の代表格とされるがこの50mmもかなりの滲み玉で、これもまた柔らかさの所以であろう。
DSC09331.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + SONY Alpha7


煌めくクセを逆手にとって作画に活かすことができれば表現の幅が広がると思うのだがRF機でその域に達するのはなかなか容易なことではない。当面は予期せぬ描写に助けられる状況が続きそうである。
L1008727.jpg
Hektor5cm/f2.5(1931) + Leica M Typ.240


ご本家で古い玉を載せる場合、最近は積極的にモノクロJPEG+RAWの設定を使っているのだがこれがなかなか楽しい。Live Viewが使えるSONYでは実像でボケ加減などレンズのクセを確認し、ご本家ではモノクロで光の加減を確認するというのが今のパターンとして定着しつつあるのであった。

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[ 2014/11/26 20:38 ] Camera | TB(0) | CM(2)

Marco Cavina

今ごろコメントで失礼します。
Marco Cavinaの当該記事をGoogle翻訳でイタリア語→英語に訳してみると以下のようなお話のようです。
「亡くなる直前のマックス・ベレークの有名なインタビューによると、『当時すでに実用化されていた
空気レンズの技術を使ってF2のレンズを作るアイデアはライカの初期段階からあったが、
むやみに絞り開放を乱用されるとF2では被写界深度が浅いために距離計連動していないライカでは
ピンボケになる可能性があり、小型カメラとして名声を得つつあった当時のライカにとって
むしろ評判を落とす懸念があったので、大口径レンズの開発はボツになった』とのことである。
ちなみに、この1931年のF2やF1.3のプロトタイプは、明らかにベルテレのエルノスターの影響が見られる。」
まあ、ベルテレに大口径レンズでは大きく先を越されたベレークの言い訳が混ざっているかもしれませんが・・。
[ 2015/01/18 19:52 ] [ 編集 ]

ありがとうございます

>うっちーさん

うわ、これは本当にありがとうございます。

この50mmのHektorでトリプレット、或いはテッサー型での大口径化には見切りをつけて
Summarのようなダブルガウス型に走ったことを思えばやはりベルテレに完敗したのかな
と思いますね。まして、F値1.5の世界になると自社開発すらできずSchneiderのXenon
を出したくらいですからねぇ。

コーティング技術の発達でSummicronという空気レンズを挟み込む構造が非常に進展した
事実を見ると、制約がある中でよくもこれだけ面白いレンズを考えたなぁ、という点で私
はいつもニンマリしてしまいますけどね(笑)。

いずれにしても、お蔭様でレンズを持ち出すときの楽しみが増えた気がします。ありがとう
ございました。
[ 2015/01/19 01:39 ] [ 編集 ]

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